メールマガジン(11.25)を配信しました。

「学習指導案には書かれないもの、でもとても大切なもの」
 ~授業中の教師の“表情”の大切さ~

 高橋健夫先生は、よい体育授業を成立させる条件のひとつに「授業の雰囲気」を挙げられました。内容としては、その学級で肯定的な人間関係が育まれていること、そしてもう一点は情緒的解放です。活動の中で心が動いた時に、その気持ちを解放できる関係性の大切さが、子どもたちが輝き、伸びていく授業の条件になるのだと考えます。
 ではそのような雰囲気や気持ち、関係性は、どのようにして醸成されるのでしょうか。先生がたくさん認めて誉めてくれること、先生が丁寧にアドバイスしてくれること、「次はできるよ!」と励ましのことばをかけてくれること、そして思い切り取り組むことができてその成果を実感することのできる教材・教具が用意されていること… どれも正解ですし、求めていきたいことだと思います。
 しかしこれらに加えて、子どもたちの学びの雰囲気を創る(そして勢いも創る)要素として挙げられるのが、「教師の表情」(ジェスチャーも含めたいと思います)ではないでしょうか。子どもたちが輝く授業には、多くの場合、表情豊かな授業者が傍にいるように感じます。子どもたちは先生の表情を見て、更に意欲的に取り組むようになりますし、見通しのある授業者は、その表情をうまく使い分けているようにも見えます。でもこの「教師の表情」は、学習指導案に記載されることは、ほぼありません。ですから研究協議会で話題の遡上にのぼることも多くはありません。でも子どもたちの意欲や成果を形作る源泉として最も大きな力をもつ教師行動であることもまた事実でしょう。
 私たちは、どのような表情で子どもたちに向き合い、それによって彼らの学びはどのように促進されているのか… 今後は、教師の表情・ジェスチャーが持つ意味、そして教師が伝えたい「内容」と「方法(伝え方)」のマッチングについて、より丁寧にフォーカスを当てた授業研究が活性化することを期待したいと思いますし、ぜひ全国の会員の先生方と、筆者自身も取り組んでいきたいと考えています。
     国士舘大学 細越 淳二

◆◆◆◆◆◆◆◆ CONTENTS◆◆◆◆◆◆◆
□ 巻頭言
 「学習指導案には書かれないもの、でもとても大切なもの」
  ~授業中の教師の“表情”の大切さ~
  国士舘大学 細越 淳二
□今月のPick Up!
 令和4年度冬の研修会のお知らせ
□事務局より
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