「なぜ学び続けるのか」
昨年末に89歳の母を亡くしました。東京冬大会の前日でした。第1回筑波大会から連続参加してきましたが、今回は母との別れに時間をあてました。母は80代になってもヨガやフラダンスを続けた好奇心旺盛な人でした。
5年生の頃、入っていたサッカー少年団にセルジオ越後さんがやってきました。「さわやかサッカー教室」を開催して全国を回っていたそうです。ユーモアを交えて教えてくれました。練習後、母がセルジオさんに「のどが渇くから合宿に行かないと息子が言うのですが、選手はどうやって我慢するのですか?」と質問しました。「みんなの前で…」私は赤面です。水を飲むとばてるといわれた時代でした。セルジオさんはコーチたちに「水分をとらないといいプレーなんてできない」と話をされました。次回からどんどん水を飲むように言われ、晴れて合宿に参加できました。
運動中に水分補給が必要なことは、研究的にすでにわかっていたはずです。指導者に情報が届き概念を変えるのに時間がかかっていたのでしょう。「学ぶ」とは自己更新だと思います。教師は新しい情報に敏感であるべきですが、その原動力は「好奇心」です。新しい世界に触れ、新しいことを認識すると脳が喜ぶのだと思います。辛口コメントのセルジオ越後さんがテレビに登場すると、今でも恩人のように思います。立役者となった好奇心旺盛な母を見習い、私も学び続けます。
体育授業研究会 研究委員長 東京学芸大学 鈴木 聡
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□ 巻頭言
「なぜ学び続けるのか」
体育授業研究会 研究委員長
東京学芸大学 鈴木 聡
□ 事務局より
・本年度を振り返って
・年会費納入のお願い
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